物置きを整理していたら、マグライトAAが出てきました。
単3電池を2本使用するマグライトですね。
後述しますが電球を使用するライトにも色々とメリットがあり、久々に使用したいと思い、電池を入れてみましたが点灯しません。
テールキャップを外してみると液漏れによると思われる錆があります。電池を入れっぱなしにした覚えはないんだけどなあ…
マグライトに限らず、フラッシュライトはボディがマイナスになるものが多いので、このように電池のマイナスと接するスプリングと接触するテールキャップが錆びているとマイナスが導通しないということですね。
テールキャップのスプリングを外してみると予備バルブが入っていました。知らなかった…
テールキャップ内は手近にあった耐水ペーパーで錆を落としました。600番くらいかな?
ヘッド部分も点検しておきます。先端のバルブが付いていた部分を引っ張ると抜けます。
ヘッド内はきれいですね。導通する部分なのでクレ5-56といきたいところですが、長期間保管するとクレ5-56は飛んでしまうので、今回はシリコンスプレーを吹きました。
ボディ内部も錆びていますね。歯ブラシにピカールを入れてボディに突っ込みました。
こちらは歯ブラシでゴシゴシした後ですが、変わったような変わっていないような…
まあテールキャップが接触する部分と、先端のスイッチ部分の金具が接触するあたりはきれいになったのでいいでしょう。
これで組み直してみても点灯せず。
目視ではフィラメントは切れていないように見えますが…
原因はバルブの足の錆びでした。上の新品のバルブと比べるとだいぶ緑青を吹いていますね。
ピカールで磨いたらけっこうきれいになりました。
各部にシリコンスプレーを吹いて、組み立てて完成です。
このマグライトは人からもらったものなんですが、もう20年弱くらい変わらずにあると思います。特に大事に保管していたわけではないのですが、傷もさほどないのは思い返してみると驚きです。
やはりマグライトだけあって、根っこのところはしっかりしているのでメンテナンスさえすればずっと使えると思います。
電球の懐中電灯がLEDの懐中電灯より優れている点は、いざとなったらこうやっていじってやればなんとかなる所も大きいと思います。災害時などに、LEDの懐中電灯が壊れていたら、少なくとも半田ゴテとテスターくらいはないと何もできないじゃないですか。
最近のパワーLEDは発光開始電圧が様々なので、LEDのデータシートでもないと電流制限せずに駆動することは困難だと思います。小学校とかで使う教材セットみたいなLEDだったら3Vのコイン電池とかで発光させられると思いますが…そもそもLEDが取り外せるLED懐中電灯は少ないですね。
電球の懐中電灯だったら、例えば接触が悪くなってたらその辺のコンクリートで多少端子を削ったり、合うバッテリーがなかったら電線で電球につないでやれば点灯しますよね。そういう融通が効くところが電球のメリットだと思います。
また、LED懐中電灯は機械的スイッチではなく、電気回路で点灯、消灯を制御しているものが多いです。そういった回路は少なからず待機電流が流れていると思われ、自己放電と液漏れにつながるので非常用などには積極的には推奨できない気がします。
まあこのマグライトも液漏れしてたのを掃除したんですが…
あと、核戦争が起こると電磁パルスが発生し、電子回路は使えなくなるといいます。LEDの懐中電灯には電流制限や調光回路があるため、ICが入っています。
LEDの懐中電灯は核戦争の後には使えなくなっているかもしれません。
そういった面でも電球の懐中電灯はまだまだ現役なのかもしれません。
そういえば、私は子どものころは電気屋さんにいくと、マグライトの外から押すと点灯するようになっているブリスターパッケージを見かけるとよく押してまぶしい!と遊んでいました。
今もあのパッケージ、あるのかな?